近年のサッカー界で注目を集めているGPSテクノロジー。ベストタイプの胸部につけるアイテムと、足のふくらはぎを覆うように装着するモデルがあります。
FIFAによると、電子監視システムは3タイプあるそうです。光学センサーカメラに基づくものと、ローカルポジショニング(LPS)と、GPSテクノロジーの3タイプです。
今回の記事では、このなかのGPSテクノロジーに焦点を当てて解説します。また、ベストタイプと脚に装着するタイプの違いも紹介します。
GPSトラッカーとは?
GPSトラッカーとは、スポーツ選手のパフォーマンス分析やコンディション管理をするために開発されたアイテムです。
現時点では、ベストタイプと脚に装着するタイプがあり、それぞれにGPSが搭載されています。そのため、GPSトラッカーを装着した場所の情報を的確に分析してくれるのです。
ベストタイプはサッカー以外に、フットボール、ホッケー、アメリカンフットボールに使用されます。
脚に装着するタイプのGPSトラッカーは、サッカーでの使用に特化したモデルです。
ベストタイプが開発された経緯は、当初サッカー以外のスポーツにおいてデータをとるためでした。選手の背中にGPSを設置するほうが感度が良かったのです。
しかし、技術の進歩とともに脚の装着でも十分な精度を確保できるようになりました。さらにサッカーに特化したデータ取得用に開発されたのが「脚に装着するタイプのデバイス」なのです。
ベストタイプと脚に装着するタイプの違い
GPSトラッカーのベストタイプと足に装着するタイプの違いを紹介します。それぞれの違いが気になる方は、この機会に確認してみてください。
①コスト
GPSトラッカーは、コスト面もベストタイプと脚に装着するタイプで変わってきます。ベストタイプは、優れたインターネットサービス、接続性、アンテナなど、導入以外の別のコストが発生するのです。
実際にバルセロナは、カンプノウとシウタ・エスポルティバ・ジョアン・ガンペールの両方にアンテナを設置したそうです。
脚につけるOLIVERなどのGPSトラッカーは、スマートフォンから気軽にアクセスできます。必要とするコストに大きな差があることが一目瞭然です。
このように、データを分析するために必要とする費用が、ベストタイプと脚に装着するタイプとで変わってきます。
②適応性
ふたつのタイプには、適応性にも違いがあります。ベストタイプのGPSトラッカーは、サッカーやホッケー、バスケなどにも対応可能です。
一見適応性があって良いタイプに思えますが、ひとつ問題があります。それは女性が装着したときの不快感です。
胸部を覆うタイプなので、動きに支障が出てしまいます。
それに対し、脚に装着するGPSトラッカーは、足を動かすサッカーやフットボールなどに適しています。
ふくらはぎの部分に装着することもあり、不快感が少ないです。男性と女性、どちらも使いやすいようなGPSトラッカーになっています。
③パフォーマンスの分析
パフォーマンスを分析できる場所も、それぞれのタイプによって変わってきます。ベストタイプは胸部に装着するので、心拍数や消費エネルギー、動きの強度などを分析してくれます。
一方で脚に装着するタイプは、足回りをメインに分析するGPSトラッカーです。ドリブル距離、キックパワー、ボールキック数など、サッカーに特化した数値を割り出してくれます。
まとめてみると、運動でのスタミナやエネルギーを算出してくれるベストタイプ。サッカーで使う足の運動量を分析してくれる、脚に装着するタイプのGPSトラッカーになります。
④その他の費用
その他の費用も、それぞれのタイプで異なります。ベストタイプのGPSトラッカーは、ひとりあたり約2000ユーロ(約29万円)ほどかかるそうです。
しかし、脚に装着するOLIVERなどのGPSトラッカーは、月額約10ユーロ(約1,400円)のサブスクリブションとして利用できるため、ベストタイプの物の10分の1程度の費用で導入が可能です。
そのため、さまざまな国やチームが導入しやすくなりました。
このように、ベストタイプと脚に装着するタイプ(OLIVER)のものとでは、かかる費用が大きく異なりますね。
まとめ
サッカーのパフォーマンス力を上げるために開発されたGPSトラッカー。コンディションも管理できるため、選手の状態を数値で判断できます。
そんな、GPSトラッカーには、ベストタイプと脚に装着するタイプがあり、それぞれメリットやデメリットがあります。
そのなかでも、新たに注目を集めている脚に装着するタイプ(OLEVER)のGPSトラッカーは、性能やコスト、使用感、どれをとっても申し分ありません。
きっと男子サッカーだけでなく、女子サッカーやフットサルでも活躍してくれるでしょう。